プロ野球には、代走という役割がある。
塁に出たランナーに代わって、ランナーの役割をする。
野球を知らない人からしたら、信じられないような話かと思うが、実話だ。
鈴木尚広
元巨人の選手で、原監督のもと、試合終盤の代走を持ち場としていた。
1点を争う試合の終盤には、どのチームも抑えのエース格の選手を出してくる。
連打や長打はそうそう期待できるものではないし、
足を使った攻撃はかなり効果的だ。

鈴木は重宝されていた。

出場試合数と打席数を見ると、いかに代走や守備での出場が多かったか分かる。
飯島 秀雄

100mの記録を持っていた日本記録保持者。
1969年にプロ野球に挑戦した。
通算の盗塁成功率は23/40で.575。
盗塁成功率はあまり優秀ではなかった。
参考に今シーズンのセ・リーグの盗塁ランキングを見てみても、成功率の .575 はいい数字ではない。

飯島は結局、3年で現役を終えている。

ただ、後年、宇佐美徹也『プロ野球記録大鑑 <昭和11年 – 平成4年>』で、
飯島を塁に置いた時の通算チーム打率は.424、出塁率.491(151打数64安打、8本塁打、四死球20)という記録が残っており、宇佐美は「飯島の脚に必要以上に気をとられた相手投手が、その分だけ打者に力を注ぎきれなかったとすれば、代走屋飯島に対する評価もまた変わってくる」
と書かれていたように、 盗塁成功率 では測れない貢献はしていたようであった。
陸上からの挑戦で注目度が高かっただろうし、
当時の選手の感覚だとおそらく、頭に血がのぼって、
「絶対に盗塁させてなるものか。」
と捕手も投手も思っていたのではなかろうか。
その結果、 盗塁成功率.575 。
飯島を塁に置いた時の通算チーム打率は.424、出塁率.491(151打数64安打、8本塁打、四死球20)
飯島 には盗塁させなかったけど、打者にはよく打たれた、という話だろう。
このように。
見るデータと、データの見方によって、評価と判断は変わってくる。
盗塁成功率 だけ見ていれば、 飯島 秀雄 は代わりがきくし、
飯島を塁に置いた時の通算チーム打率 を見ていれば、 飯島 秀雄 は価値がある選手に思える。
この手の、どのデータを見るかはセンスが現れる所なので、とても大事です。
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